メンテナンスは意外に大変

薪ストーブの雑誌でメンテナンスや修理の方法を説明していることがありますね。メンテナンスや修理は、なかなか大変な作業です。プロの私たちでも、慣れている機種でも半日から1日かかる場合もあります。

メンテナンスの頻度は、薪ストーブの機種、薪ストーブを使う頻度、そして使い方によっても違ってきます。ざっくり言うと、シンプルな構造のヨーロッパ製の薪ストーブのほうが、メンテナンスがラク。

一方アメリカ製の薪ストーブは、カラフルな色もあり、おしゃれな外観の機種が多く性能的にも優れた機種が多いのですが、造りが複雑で細かい部品が多く、その分メンテナンスや修理に手間がかかる場合があります。

ユーザーの好みもありますので、どちらがいいとは言い難いのですが、マメな性格でない、あるいはあまり薪ストーブに手間をかけたくない、時間がとれない、という方には、メンテナンスが簡単な機種のほうをおすすめしています。普通に使っていれば、4〜5年後くらいにガスケットの交換が必要になる程度で、故障も少ない。あとは様子を見ながら煙突掃除をするのですが、1年に1回程度でしょうか。

しかし、たとえメンテナンスが簡単な機種を選んでも、やはり正しい使い方をしなければ、すぐに煙突は詰まり、ガラスはススだらけ、部品も曲がり……という事態になってしまいます。私の知っている例では、建材ばかりをガンガン燃やしていたために、炉内が常に高温にさらされ、7〜8年で薪ストーブに穴が空いてしまった……という人もいました。

有名メーカーの薪ストーブの場合、きちんと使い方を守っていれば、数十年は使うことができます。しかし一生使えるか、というと、そうではありません。やはり道具ですから、いつかは使えなくなるのです。10年、15年と使っていくうちに、どこかで必ずメンテナンスが必要になります。その際、数万円単位で済めばよいのですが、部品の交換や何やらで、かなり費用がかさむ場合があります。そうなってくると、「そんなにお金がかかるのなら、買い換えようか」という話が出てきます。

一方で、煙突はずっと使えます。ホームセンターで買ってきた煙突などでは保障できませんが、私の会社が扱っている断熱二重煙突の場合、おそらく20〜30年くらいは大丈夫でしょう。薪ストーブは2代目、3代目と変わっていっても、煙突は接続部の部品を変えれば機種を変えることもできますし、ずっと使えます。ですから最初に良い煙突を付けておくことをお勧めします。特に日本は高温多湿で、複雑な気候です。日本の風雪にも耐える、頑丈な煙突を付けましょう。

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筆者:鷲巣 勤プロフィール

薪ストーブショップ『ブロス』のオーナーとして薪ストーブの世界にかかわること25年あまり。自宅ではバーモントのアンコールを使用。横浜店ではモルソー・7140を、山中湖店ではデファイアントとヨツールF500を楽しんでいる。